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『ベン・ショットの英国博覧記』の書評・感想・紹介記事

赤色の装丁がきれい。枕元に置いておいてナイトキャップにしたい一冊。眠る前にふっと開いたとこを読むのは、おやすみ前に本読んでもらうみたいな気分。自分で読んであげる今夜の一話、そういうのがつまっている。読んでたのしくなって眠る。でもほのぼのスロウな感じじゃなくて。知ったかぶりたいというとこを超えたあたりの知的好奇心をくすぐりちょっとぞっとさせてふははと笑わせる、ほどよいアッパー感、それがすてき。その微妙なセンスはわたしの思う「まさに英国」な感じと重なる。ビッグマックの成分表とかこわいもん! 
役に立つとか関係なく自分のたのしみとして百科事典を読むのがだいすき、とかいうひとにはうれしい本。そしてわたしはうれしくなった。
というのが、ぱらぱら一読目の所感。

nanabirdさん(2004年10月31日 piiip!

あまりにも濃い。
濃いのにパラパラめくれてしまう。
濃いのに、ついつい読み入ってしまう。
今まで沢山あったであろう
無駄な5分にこの本があればと悔やむ前に
これからの無駄な5分が
まるでイギリスに留学しているかのような
お得な気分になるお供が出来たことを
素直に喜ぶべきだろう。

セイキさん(2004年11月6日 Seikione.com

知的好奇心のど真ん中よりちょっとずれた部分のとても微妙なところをうまい具合にくすぐるような情報がスペースいっぱいに幕の内よろしく詰め込まれた素敵本。一読しての感想をあえてチープさを恐れずに一言で表現するなら、世界は広いなあ。イギリスの子供の数え歌とか、日本にいたら知り得るはずもないわけで、だからすごく新鮮。読み進むほどに見たこともないかたちに世界が浮き彫りになっていく。また、情報をチョイスしている意味での主観はもちろん存在するけれどもそれ以外の著者の主観は記事内には一切入り込んでいない。硬派。最初から順番に読破するよりも適当に開いたページに出会いを求めるのがおそらく正しい読み方。
これ、すごく面白かったんですけど、ある場所では当たり前のことを別の場所ではこんなに面白がれるってのは、やっぱり無自覚のうちに世界を固定観念で捉えてしまっているのだろうなあ。これはそういう無意識につくりあげている観念の軸をぐらぐら揺さぶってくれる良書だと思います。とりあえず、この本をネタにしばらくは薀蓄野郎としてまわりの人に鬱陶しがられたいと思います。

水飴さん(2004年10月29日 Quietstar

読んで役に立つということはないけれど、脳の普段つかわない部分をくすぐられるような感じがあっておもしろいです。クリスマスプレゼントにうってつけかもしれない。

佐藤りえさん (2004年11月10日 La Dolce Vita

手に取って奥付を見ようと後ろから開くと、カバーの折り返しから既に雑学知識。「そうなの!?」 そして中を見れば、『英国博覧記』とは随分謙虚なネーミングだと思うくらい、世界中の事物や言葉が紐解かれている。フーコーの『言葉と物』の冒頭だったかに出てくる中国の博物誌を髣髴とさせる脈絡のなさと、とにかく網羅されているという肌身の感覚。この、世界へのただならぬ関心と、それを体系づけることへの欲求こそが英国人気質なのだということに、読むうち納得させられる。 
ひとつ面白いことには、目次がない。もちろん目次のない本は世にあるが、この本には当然ながら各ページに項目があるし、五十音で並んでいる訳でもないのだからとアレっと感じた、のは束の間のこと。そう、この本には脈絡というものがない。その膨大な項目から、目次を順を追って見ていくことには確かに意味がなく、むしろふとした拍子に引きたくなるのは索引なのだ。この本の索引は、ただついているだけでなく、索引に関する英国人らしい視線の感じられる引用(これがまたニヤリとさせる)がその冒頭を飾っている。時折本棚から取り出して眺めるのにも最適のしつらえであり、心遣いがある。これも、いかにも英国紳士(どんな人だか知らないが)だ。
この本に載っていることどもには恐らく大した重要性もない。ただ、巻頭に掲げられるヴァジニア・ウルフの言葉ではないけれど、英国の文学作品を読み、映画を見たときに、心にフワっと触れた気がする英国の空気、時間、そんなものが、ここにはモヤモヤと、しかし濃密に存在している。

Besucherさん(2004年11月5日 Besucherの空間@つながる読書空間)



Besucherさんの場合(2004年11月5日 Besucherの空間@つながる読書空間)
atkonthenetさんの場合(2004年11月3日 atkonthenetの日記
takahashiさんの場合(2004年11月1日 takahashi@ひとりだとちいさくなるこえ
他人さんの場合(2004年10月30日 他人の脳内
nanabirdさんの場合(2004年10月31日 piiip!
水飴さんの場合(2004年10月29日 Quietstar
船田戦闘機さんの場合(2004年10月26日 遥かなる1000万PV
fairaさんの場合(2004年10月26日 新訂カンタン系
gotanda6さんの場合(2004年10月26日 犬にかぶらせろ!

「英国発のダンディなトリビア本」(2004年10月29日 本のニュース@エキサイトブックス

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